

(3) 実機搭載時のスペクトル性能
通常レーザのスペクトルはレーザ運転による共振器内の温度変動やモジュールの劣化により変動するものであった。スペクトル可変機構の導入により、スペクトルは一定の値に制御され、1装置内での変動はもちろん、異なる装置間におけるスペクトル差もなくなり、レーザのスペクトル変動によるCDへの影響も最小に抑えることが可能となった。
図7にGT61Aにおいてレーザの運転条件を様々に変更した場合のE95計測結果を示す。レーザの稼働率を変化させ、熱負荷を変化させた場合、出力エネルギーを振った場合、発振周波数を変更した場合、いずれの場合においてもスペクトルはターゲットである0.3 pmに制御されており、そのばらつきは6 fm(fmはpmの1/1000)と非常に小さい値となっている。前述のシミュレーション結果であるコンタクトホール40 nm、0.35 pmにおける露光のCD感度3.5 nm/0.1 pmを適用したとしても、そのCD変化はわずか0.2 nmである。

図7 スペクトル vs 動作負荷 / パルスエネルギ / 繰り返し周波数
図8にGT61A のガス寿命(100 Mpls/3 日)中のスペクトル性能を示す。レーザの運転条件は露光条件により変化 するが、その状況でもE95はターゲットである0.3 pmに良く制御されている。ばらつきは23 fmであり、CDへの影響は0.8 nmほどである。

図8 ガス寿命中のスペクトル性能
図9に異なる4 台のレーザにおけるE95性能を示す。図7のときと同様にレーザの運転条件は様々であるが、4 台のレーザいずれにおいてもターゲットである0.3 pmに良く制御されていることが分かる。E95ばらつきは19 fmであり、CDへの影響はわずか0.7 nmである。

図9 異なる4 台のレーザのE95性能
BCMの導入により、レーザのスペクトル性能はターゲットへ制御され、単一レーザでの運転においてもモジュール寿命やレーザの運転条件変化によるスペクトル変化が抑制され、CDへの影響を最小にすることが出来る。且つ複数のレーザを使用する場合においてもレーザ間のスペクトル差が発生せず、 リソグラフィ装置間での 性能面での差も発生しない。従って、BCMは今後更なる微細化が進む露光において必要不可欠な機能となることが予想される。