2. EUVリソグラフィを巡る世界の動き

13.5nmの極端紫外光(EUV: Extreme UltraViolet)を光源とし、反射型光学系を用いてパターンを投影するEUVリソグラフィは、NTTの木下氏(現在兵庫県立大)等の提案により日本で研究が始められました。1) ほぼ同時期に米国のBell研究所でもEUVリソグラフィの研究が開始され、1990年代には国立研究所で研究が進められました。米国で1997年にEUVLLC(EUV Limited Liability Company)と呼ばれる機関が組織され、本格的なEUVリソグラフィ技術の研究が始まりました。2) このEUVLLC設立の動きに触発され、欧州ではEUCLIDES、日本ではASET EUV研究室が発足し、日米欧三極での研究が開始されました。3) 4) その後米国での研究の主体はSEMATECHに移り、Albany NanotechとLBNLで精力的な研究が進められております。5) また欧州ではMEDEA+、More Moore等の研究プログラムで精力的な研究が行われ、現在のEXEPTというプロジェクトに続いています。この間、露光装置に関してはZeiss社、ASML社が積極的に装置開発を行い、実用的な露光装置開発を先導しております。また研究開発ではIMECに露光実験装置を設置して、EUV利用技術の開発を進めております。わが国では、ASETのEUV研究室に続き、2005年からSeleteで本格的な研究が行われました。Seleteでは、ニコン、キヤノンがそれぞれ露光実験装置EUV-1、SFETを開発し、マスク技術やレジスト評価などの研究開発が進められました。6) ASETやSeleteでは、マスク技術やレジスト技術などEUVの利用技術の開発が中心となったのに対し、光源技術や露光装置技術の開発のため、2001年にEUVA(Extreme Ultraviolet Lithography System Development Association)が設立され、光源研究と装置研究が始められました。メンバーには、装置メーカー5社(ニコン、キヤノン、コマツ、ウシオ、ギガ フォトン)と半導体メーカー4社(東芝、日本電気、富士通、ルネサス)が参加しました。さらにEUV光源プラズマの理論的、基礎的な面の研究は、大阪大学を中心に組織された文科省のリーディングプロジェクトが2001年に発足し、EUVAと連携して研究が進められました。EUVAの研究は2011年3月に終了しましたが、マスクやレジストの研究は、ほぼ同時期に終了したSeleteの後継である株式会社EUVL基盤開発センター(EIDEC: EUVL Infrastructure Development Center)(2011年5月発足)という組織で研究開発がされました。(EIDECは2019年3月31日に解散)

  • 1) 木下他: 第47回応用物理学関係連合講演会予稿集No.2 p322 (1986)
  • 2) C. Gwyn et al: J. Vac. Sci. Technol. B16 p.3142 (1998)
  • 3) J. P. H. Benschop et al: J. Vac. Sci. Technol. B17 p2978 (1999)
  • 4) S. Okazaki: Proc. SPIE 3676 p238 (1999)
  • 5) S. Wurm et al: Proc. SPIE 6517 p651705 (2007)
  • 6) I. Mori et al: Proc. SPIE 6921 p692102 (2008)